@パーソナルJL「構造改革」2001年下期緊急人材活用施策で明らかになった問題点
業績の急降下を口実にしたNECの下期人材活用施策とその半年前に始まったパーソナル事業ラインのリストラにより、すでにNECグループの5%にあたる7000人が泣く泣く会社を追われました。
その手口は、主に以下の2つです。
(1)
地方NECの再編、売却まどでの「拠点間の異動」による「労働者のふるい落とし」
(2)
下期人材活用施策の「対象職場の45歳以上の全員面接」などによる執拗な退職勧奨・強要
前者は、NEC新潟、山形、NECデータ機器などですでに行われ(この3社500人以上が退職)、そして今またEMS会社に売却予定のNEC宮城、鹿児島、茨城などで大規模に行われています。
後者は、2月発行のELIC
NECビラにも掲載しているように、「貴方には仕事はない。代わりはいくらでもいる。NECにいたいのだったら自分で仕事をさがすか、ゴミ拾いしかないよ」など、労働者のプライドを傷つけ(これは名誉毀損に当たる)、辞めさせるという悪質な手口です。何度も面接が行われたり、毎日のようにメールで「仕事をさがしたか」と嫌がらせをしたり、府中では障害者に対しても退職勧奨が行われており、企業の社会的責任も踏みにじる暴挙が各地で行われ、働き口も見つからないまま辞めさせられている実態です。特にエキスパート以上の管理職が人減らしのターゲットになっており、その多くが退職に追い込まれています。この個人面談などによる退職の勧奨・強要は、明らかに法律違反であり、損害賠償の支払いなどを生ずる犯罪行為です。(1980年7月10日 最高裁第1小法廷判決・下関商業高校事件およびNKKの退職勧奨・強要事件)
また、派遣労働者、パートは真っ先に人減らしの対象になり、各地で解雇されています。
対象職場では、モラルの低下、労働意欲の減退の中、人減らしにより労働強化になっています。その結果、設計品質の低下、フィールド障害の増加など発生しています。H2Aロケットの設計図と製造図の違いにより切り離し失敗した事故もこのような状況で発生したミスと考えられるのではないでしょうか。
その中で、3月末までにNECグループで、あと7000人(下請け協力会社は含まず)が辞めさせられたり、NECグループ外に放り出されようとしています。
従って、今年4月からの特別転進支援施策の全社展開も下期緊急人材活用施策とほぼ同じような問題が考えられます。
A緊急費用削減施策の問題点
● 時間外割増率の法定までの引き下げ:法定は「最低条件」であり、大企業は率先して引き上げなければならないのに、引き下げることは社会的責任を放棄するものです。
●3つの費用削減施策によってわずか16億円程度の費用削減であり、こんなこそくな施策で業績が回復するとは考えられません。むしろこのように費用の圧縮を全社員に示すことによって危機感をあおるのが目的ではないでしょうか。
●一方、会社は「利益剰余金もあり、配当を行う余地はある」といって株主には「3円配当を継続する」としています。労働者には「会社存亡の危機」と危機意識をあおりながら、その反面、株主には配当を継続する、この経営陣の株主優先、労働者犠牲のモラルハザードぶりは最近特にひどくなっています。
このような職場の労働者をあまりに軽視する経営陣の姿勢が会社をますますだめにするのではないでしょうか。
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